ゴムボート釣りで最も重要なのは「安全」。
特に風は判断基準として外せない要素!!
普段は静かな海でも、風が少し強まるだけで一気に危険度が増すのがゴムボート含めミニボートの特徴です。
「今日は風が何m/sくらいなら出られるだろう?」
「予報では3m/sだけど実際はどうなの?」
──こうした悩みはゴムボーターなら誰しも一度は感じたことがあるはずです。
この記事では、この道10年以上の私が!実際の釣行経験を交えながら、
「風速何m/sまでならゴムボートを安全に出せるのか」を詳しく解説していきます。
風速とゴムボート釣りの関係

まず、出船可否の判断をするのに特に必要な情報が風速と波高の2つ。
さらに言うと波高は基本的に風に左右されるものなので、より重要なのは風速です!
よって今回は風速について詳しく話していきましょう!!
ゴムボートの特徴

ゴムボートは軽量で持ち運びやすい反面、風の影響を非常に受けやすい乗り物です。
FRP製の船やアルミボートに比べると重量が軽く、水に浸かっている部分も小さいため、ちょっとした風でも進行方向がズレたり、意図せず流されてしまうことがあります。
また、ゴムボートは船体が柔らかく、波の衝撃をいなしやすい一方で走破性が低く、風と波が合わさると一気に走行性が悪化してしまいます。
したがって「他の船なら大丈夫な風速」でも、ゴムボートでは危険に感じるケースが少なくありません。
と言いつつも、ミニボートの中で最も安定性が高いのはゴムボートですが…
風速が重要な理由

釣りにおいては潮流や波も大切ですが、ゴムボートで最もシンプルかつ分かりやすい判断基準が「風速」です。風が強ければ強いほど戻るのが難しくなり、最悪の場合は沖に流されてしまいます。
特に2馬力ボートは馬力の限界があるため、風速が1m/s上がるだけでも思ったように進まないことがあります。
つまり風速は「出船できるかどうか」を決定づける最重要ファクターなのです。
一般的な目安(風速別の安全ライン)

風速 | 状況の目安 | リスクレベル | 出船判断 |
---|---|---|---|
0〜2m | ベタ凪で快適。初心者でも安心。 | ★☆☆☆(低) | 出船可能。理想的なコンディション。 |
3〜4m | やや流される。風上に戻る力が必要。 | ★★☆☆(中) | 経験者なら出船可。湾内や岸近く推奨。 |
5〜6m | 白波が目立つ。進行困難になる場合あり。 | ★★★☆(高) | 出船は非推奨。中止を検討すべき。 |
7m以上 | 波が荒く走行性能最悪。制御不能。 | ★★★★(極高) | 絶対に出船禁止。安全第一で中止。 |
※あくまで目安です。ボートの種類、装備、経験値によっても大きく異なるため、必ず現場での状況を優先して判断してください。
風速0〜2m
ほぼベタ凪で、初心者でも安心して出船できます。水面も穏やかで、流されることも少なく、釣りに集中できる理想的なコンディションです。初めてゴムボートを出す方は、このくらいの風速の日を狙うと良いでしょう。
風速3〜4m
多少の風を感じ、船体も少し流されるようになります。経験者であれば釣行可能ですが、風上に戻る事を意識して操船する必要があります。岸近くや湾内に限定するのが安心です。予報で3〜4mとなっている場合、実際には瞬間的に5mを超えることもあるため注意が必要です。
風速5〜6m
白波が目立ちはじめ、ゴムボートにはかなり厳しい状況です。エンジン全開でも前に進みにくく、船体が叩かれるような感覚になります。初心者はもちろん、経験者でも出船を控えたほうが安全です。実際、私自身も風速5m前後で「釣りどころじゃない」と感じた経験があります。
風速7m以上
このレベルになるとミニボート全般ほぼ制御不能です。波が立ち、船体が転覆するリスクも大きくなります。釣りを楽しむどころか命の危険があるため、絶対に出船してはいけません。予報で7mと出ていたら迷わず中止を選びましょう。
風速だけでは判断できない要素

それでは仮に風速が2m/sなら必ずしも安全と言えるでしょうか…
答えは否!
風速の数字の大きさだけ見ても実際の出産可否の判断は慎重さを必要とします。
風向き

同じ風速でも風向きによって危険度は大きく変わります。
陸から沖に向かう風の場合、帰りが非常に困難になりがちです。一方で沖から陸に吹く風なら、ある程度安全度は上がります。予報では風速だけでなく風向きも必ず確認しましょう。
地形・海域

湾内や入り江では多少風があっても波が立ちにくく、比較的安全に釣りができます。しかし外洋や岬回りは遮るものがなく、同じ風速でも危険度は格段に跳ね上がります。
うねりや潮流

風が弱くても、うねりや強い潮流があると一気に危険度が増します。
特に潮流と風向きが逆になると短い波が立ち、ゴムボートしかりミニボートには厳しい状況となります。
他船との関係

風が強いと自船のコントロールが効きにくく、周囲の船やブイなどの浮遊物に接触するリスクも高まります。
フラッグを立てて視認性を上げるなどの工夫が欠かせません。
出船前に必ずチェックすべきこと

それでは出船前に何をチェックするべきなのか??
それらを具体的に紹介していきましょう。
天気予報・アプリ

出船前には必ずWindy、海天気などの予報を確認しましょう。特にWindyは風向きの可視化に優れているためおすすめです。
加えて、無料版でも5つの気象モデルが確認比較できるため私が最も重宝しているアプリです!
予報と実際の誤差
天気予報はあくまで予測であり、実際の海況は違うこともあります。予報で3m/sと出ていても、現場では5m/sを超えることも珍しくありません。
常に余裕を持った判断を心がけましょう。
現場での変化サイン
空を見上げて雲の流れが早い、急に冷たい風を感じる、波が細かく立ちはじめる──こうした変化が出たら撤収のサインです。
目の前の海が状況判断の全て!
現場での体感を軽視しないようにしましょう。
安全に遊ぶための工夫

安全という土台があってこそ遊びは楽しむことができます。あなた自身が楽しむための工夫を紹介します!
自分ルールを決める
「風速◯mまで」と基準を自分の中で決めておくと判断しやすいです。例えば初心者なら「3m/sまで」、経験者でも「5m/sまで」といったように制限を設けるのが安全です。
安全装備
ライフジャケット、フラッグ、オール、携帯電話(防水仕様)、などは必ず持ち込みましょう。これらは「釣り道具」ではなく「命を守る道具」です。
フィールドの選択
風が強い日は無理に外洋に出ず、湾内や小さな入り江で釣りを楽しむのも良い選択です。フィールドを変えることで安全性は大きく向上します。
思い切って普段は行かないような場所まで移動してみるのも新たな発見に繋がるのでオススメです!
最終判断
釣りに行きたい気持ちは誰しもありますが、少しでも不安を感じたら出船をやめる勇気が必要です。
ドライブがてら「新たな出船場所開拓に切り替える」、「また次のチャンスでいいや」と考えることが、長くこの釣りを楽しむ秘訣です。
まとめ

ゴムボートは一般的に風速〜4m/sまでが安全ラインです。
それ以上になると危険度が一気に高まり、釣果よりも「無事に帰れるかどうか」が最優先になります。
実際の海は予報以上に厳しいことも多いため、常に余裕を持って判断し、「釣りは次もある、命は一度きり」という意識を忘れないようにしましょう!