どうも、コウタです(^^)
今回は、ゴムボートの準備時間を短縮する方法としてよく取り上げられている「複数同時エアー注入システム」の効果について、検証してみました。
また、複数同時エアー注入システムの製作方法や必要な部品、製作にかかった費用なども紹介していきます。
ご興味のある方は是非ご覧ください。
複数同時エアー注入システムとは
まず「複数同時エアー注入システム」とは何のことか紹介します。
私が利用している例で言うと以下のようなものです。
複数同時エアー注入システムを使用する目的はズバリ準備時間の「短縮」と「簡略化」です。
通常、ゴムボート(インフレータブルボート)には複数の気室が設定されているため、一つずつエアーを注入していく必要があります。
全ての気室にエアーを充填するためには、何度もエアーホースを脱着することになり手間がかかります。
そこで、今回紹介する複数同時エアー注入システムを使用することで準備時間を短縮、簡略化できるのでは!?となりました。
実際にネットで調べてみると、ゴムボートユーザーの中にもこのような同時注入システムを自作されてい方が多くいらっしゃるようです。
そんな複数同時エアー注入システムについて、使用することで本当に準備時間を短縮、簡略化できるのかを検証してみました!
ゴムボートに興味のある方や実際に使用してみようと考えている方は参考になると思いますので、ぜひここから先もご覧ください。
結論
早速今回の結論です。
検証の結果は以下の通りでした。
- 「複数同時エアー注入システム」を使用しても準備時間は変わらない、何なら更に時間がかかる。
- 若干の効率化が期待できる場合もあるが、製作にかかる費用を踏まえるとそこまで効果が大きくない。
と言うことになりました。
あまりメリットが無いように思われるかもしれませんが、準備する内容によっては使用するメリットがある場合もあります。
検証内容
それでは、検証内容について詳しく紹介していきます。
使用したボート、アイテム類
ボートはジョイクラフトのグランドJCM325を使用しました。
気室数は全部で5つあるタイプです。
私の場合だと腰掛け板は使用していないため、上の画像の状態が今回の検証における完成系となります。
本来はこの画像に+α艤装があるのですが、艤装内容は人によって異なるため、今回の検証からは除外しました。
複数同時エアー注入システムは以下のようなものを使用しました。
基本、水道用ホース関係の部品を組み合わせて自作しました。
電動ポンプはジョイクラフトの付属品BTP-12を使用しました。
定番アイテムです。
電動ポンプの電源は車のバッテリーから直結です。
検証手順
今回の検証に使用したボートには以下の通り5つの気室があります。
- メインチューブ右
- メインチューブ左
- メインチューブ真ん中(前)
- エアフロア
- エアキール
エアーを注入する順番などはメーカーの取説内容に従います。
使用するボートによって気室数に違いがありますが、概ね上の通りであることが多いです。
今回の検証ではボートにエアーが注入されていない状態(スタート)からエアーが規定圧まで注入された状態(ゴール)までの時間を比較してみます。
検証結果
実際にエアーを注入してみた結果が以下の通りです。
通常通り1気室ずつエアー注入した場合
エアー注入開始です。
左右のメインチューブに8割程エアーを注入するまでがおよそ3分44秒。
この後、真ん中(前)のメインチューブにエアーを注入しながらエアフロアを敷いて少しでも時短できるように工夫。
その後、エアフロア、エアキールに注入して最後にメインチューブ3ヶ所へフル充填。
最終的にかかった時間は「8分47秒」でした。
複数同時エアー注入システムを使用して複数気室同時にエアー注入した場合
続いて今回のテーマである「複数同時エアー注入システム」を使用した場合を紹介します。
スタート状態は先ほどと同じになるように一度折り畳んで、しっかりとエアーを抜いておきます。
いざ、スタート。
先ずはメインチューブ3ヶ所にホースを接続して同時注入開始。
メインチューブへエアーを注入して少し膨らんできたらエアフロアを敷きます。
メインチューブ3ヶ所に8割のエアーを注入するまでにかかった時間が7分59秒。
ちなみに、電動ポンプの取説には「連続10分以上は使用しないで下さい」とありますが、今回の検証では連続10分を超えることはありませんでした。
続いてエアフロア、エアキールにエアーを注入して最後にメインチューブ3ヶ所にフル充填。
最終的にかかった時間は「9分58秒」でした。
通常通り1ヶ所ずつエアーを注入した場合が「8分47秒」でしたので、1分以上長くなるという結果になりました。
1ヶ所ずつエアー注入するよりも複数同時にエアーを注入する方が時間が長くなる理由
今回の検証結果では通常通り1ヶ所ずつエアーを注入するよりも、複数同時にエアーを注入する方が1分以上長くなりました。
理由としては、電動ポンプの送風モードと高圧モードの切り替わりタイミング、稼働時間に差があったからではないかと考えています。
電動ポンプでエアーを注入する場合、始めのうちは送風モードでエアーを送り込み、ある程度エアーが充填されたタイミングで高圧モードに切り替わります。
(高圧モードに切り替わると音が変わります。)
高圧モードに切り替わるとエアーの送風量が減る(その分高圧にできる)のではないかと考えられます。
今回の検証で複数同時にエアーを注入するとき、高圧モードに切り替わってからの運転時間が通常よりも長かったです。
そのため、1ヶ所ずつエアーを注入して高圧モードの稼働時間を短くする方が結果的に時間を短縮できるのではないかと考えています。
また、複数同時エアー注入システムを使ったとしても、結局のところ電動ポンプ自体の能力が上がる訳でもなく、バルブへの接続時間や取り外し時間等もかかる(当たり前ですが…)ため、時間が短縮できる事はありませんでした。
複数同時エアー注入システムのメリット
今回の検証では、結果的に時間がかかることが分かった複数同時エアー注入システムですが、使い方によってはメリットがあります。
それは、一度エアー注入を開始したらしばらくの間放置することができる、という点です。
1ヶ所ずつエアーを注入する場合は、エアー注入が完了するごとにホースを付け替える必要があります。
しかし、複数同時エアー注入システムであれば、メインチューブ3ヶ所同時にエアーを注入するため、フル充填されるまでにかかる時間が長くなります。
その分、長くなった時間の間に釣り道具や艤装の準備ができる場合は、結果的に準備時間を短縮することができるかもしれません。
私の場合だと、釣り道具は事前に準備しており、艤装も凝ったものがありません。
エアーを注入している間に何か別に時間のかかることがないため、複数同時エアー注入システムを使用するメリットが薄いです笑
また、後ほど紹介しますが複数同時エアー注入システムにはそれなりに費用がかかります。
かかる費用に対して、効果がありそうだと思われる方は導入を検討してもいいでしょう。
複数同時エアー注入システムにかかった費用
今回使用した複数同時エアー注入システムは完全な自作です。
使用した部品は以下の通りです。
- 分岐アダプタ…1ヶ
- コネクタ…4ヶ
- ジョイントニップル…1ヶ
- ホース①…3m程度
- ホース②…50cm程度
- バルブ…4ヶ
- ホースバンド…5ヶ
購入にかかった費用はおよそ1万円でした。
それなり費用もかかるためご自身の準備時間がどのくらい短縮できる見込みかを事前に検討しておく必要がありますね。
以下、それぞれの部品について具体的に紹介します。
分岐アダプタ
この部品は今回の複数同時エアー注入システムの肝です。
様々なタイプのものがありますが、「中間コックの付いた4口タイプ」がオススメです。
↓コウタの使用品↓
コネクタ
このコネクタは上で紹介した分岐アダプタから4つに分かれるホースにそれぞれ付けます。
そのため数は「4つ」必要です。
↓コウタの使用品↓
ジョイントニップル
このジョイントニップルは電動ポンプからくるホースと分岐コネクタを繋ぐためのアイテムです。
そのため部品数は「1つ」でOKです。
電動ポンプのホースはジャバラになっていて、そのままだとニップルに接続することができません。
そのため、後ほど紹介するホース②(一般的な水道用のホース)を電動ポンプのホースに突っ込むというやり方で接続しています。
↓コウタの使用品↓
ホース①
このホースは分岐アダプタから4つに分かれてバルブに繋げる必要があります。
ジョイクラフトのバルブは外径φ20mmです。
そのバルブにホースをはめ込む必要があるため、ホースの内径には要注意です。
一般的な水道ホースの規格は内径φ15mm、外径φ20mmであることが多く、サイズの合うホースが少ないです。
私の場合はホームセンターで見つけた内径φ19mm、外径φ23mmのものをねじ込むようにして繋げています。
長さは「3m」ほど購入してボートとバルブ位置に合わせて「4本」に切り分けて使用します。
↓参考品↓
ホース②
ホース②は上の写真で言うと真ん中に少し見えている水色のやつです。
これが電動ポンプのジャバラホースとジョイントニップルを接続する中継アイテムになります。
長さは「30cm」ほどあれば十分でしょう。
↓コウタの使用品↓
バルブ
このバルブはジョイクラフトの純正バルブのことです。
4つに分岐させるためこのバルブも「4つ」必要です。
※ボートによってバルブの種類が異なるため要確認です。
↓コウタの使用品↓
ホースバンド
上で紹介したホースとバルブの固定に必要です。
ホースバンドがなくとも、ホースとバルブにある程度の摩擦力が働くため簡単に抜けることはありませんが、ホースバンドで固定をしておくと安心です。
↓コウタの使用品↓
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「複数同時エアー注入システム」の効果について、検証してみました。
「複数同時エアー注入システム」はゴムボート(インフレータブルボート)を膨らます時に使用することで準備時間の短縮が見込めるアイテムです。
しかし、今回の検証では通常通り膨らます場合が「8分47秒」であったのに対して、複数同時エアー注入システムを使用した場合が「9分58秒」と、かえって時間が長くなると言う結果でした。
時間が長くなった理由として、電動ポンプの高圧モード時間が長くなってしまったからではないかと考えられます。
ただし、「複数同時エアー注入システム」を用いることのメリットとして「一度エアー注入を開始したらしばらくの間放置することができること」が挙げられます。
しばらくの間はバルブの接続作業をしなくてもよくなるため、その間に釣具の準備や艤装の段取りができる場合は「結果的に準備時間を短縮できる可能性」があります。
ちなみに今回紹介した「複数同時エアー注入システム」の製作にかかった費用はおよそ1万円でした。
具体的なアイテムは上で紹介した通りですが、それなりに費用のかかるアイテムであるため時間短縮がどのくらい見込めるかを事前に検討しておく必要があるでしょう。
私の場合はあまり凝った艤装をしないため、大した時間短縮ができませんでした笑
「複数同時エアー注入システム」の製作をご検討されている方がいらっしゃれば、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
それでは。